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能力構築競争~日本の自動車産業はなぜ強いのか~

藤本隆弘 著 / 中公新書 刊 この本に手を出した理由、
それを今では思い出せない。
たぶん、リーマンショックで大きく崩れた
世界経済の中で、いわば悪く目立ってしまった
自動車産業というものについて、
いったい何が起きていたのかを
わかるのではないかと思って手に入れたと思う。

2009年4月に手に入れて、
それから今5ヶ月経って、
ようやく読み終える事ができた。
それだけ時間がかかった理由は単純明快。


難しいから。





とりあえず目次を見てみよう。
序章 もの造り現場からの産業論
第1章 自動車産業における競争の本質
第2章 能力構築競争とは何か
 1.能力構築競争とは何か
 2.進化する企業システム
 3.基本設計コンセプトの競争
第3章 なぜ自動車では強かったのか
 1.日本の自動車産業は本当に強いのか
 2.自動車と日本企業の相性
第4章 もの造り組織能力の解剖学
 1.もの造り組織能力の源泉
 2.日本的生産システムの特徴
第5章 能力構築の軌跡―二十世紀後半の自動車産業
 1.自動車産業の黎明期
 2.生産システムの合理化が始まる
 3.乗用車生産の基礎固め
 4.モータリゼーションと大量生産工場
 5.輸出拡大と国際競争力の顕在化
 6.国際化と車両技術の洗練化
第6章 創発的な能力構築の論理
 1.「創発」という考え方
 2.日本的生産システムの誕生
 3.組織進化の本質
第7章 紛争―脇役としての貿易摩擦
 1.紛争と強調の意義
 2.貿易摩擦の機能
 3.貿易摩擦の政治ゲーム的構図
 4.貿易摩擦の類型―示談・訴訟・政治交渉
 5.1980年の自動車貿易摩擦
 6.アメリカ政府の要求エスカレートとその帰結
第8章 協調―競争を補完する提携ネットワーク
 1.競争と強調の歴史と現状
 2.競争・紛争・協調をめぐる3つのシナリオ
 3.「世界寡占化仮説」批判
 4.多層提携ネットワークと能力構築競争
 5.国際的な合併・提携の趨勢
 6.競走・紛争・協調をどう使い分けるか
第9章 欧米の追い上げと日本の軌道修正
 1.欧米企業の対日「逆キャッチアップ」
 2.「システム鈍化」のダイナミックス
 3.能力の過剰蓄積と過剰設計問題
 4.設計簡素化とその成果
 5.過剰設計の発生メカニズム
第10章 能力構築競争は続く
 1.現在も続く能力構築競争
 2.21世紀の自動車アーキテクチャ
 3.21世紀の自動車生産システム
 4.能力構築競争の限界とバランス型システムへの道



なので、経営とか指針策定に悩んでいる人は
この本はものすごく良い参考書だと思う。
一社員としてどこかに属していて、
会社の文句を言っている人にとっては
この本は「なんだ、自動車メーカも一緒か」と、
そういう感じに浸れる内容だと思う。

僕個人としては能力の蓄積は
過剰気味が良いのではないかと思う。
ある程度の能力を備えていないと、
今の時代、切り替わりの早い流れに
対応する事ができないと思うから。

ただそれは会社組織として蓄積せず、
個人の能力として備えるべきだと思う。
組織がそういう形・体制になってしまうと
誤った方向に進みかねない。

結局は買ってくれる人が「買いたい」と思うものを
的確に見極めて形にできるか、
この前提が崩れてしまったら
世に必要とされるメーカでは無くなる。


この本で気になった点をいくつか。

・正味作業時間比率アップ
・「標準作業票が1ヶ月変わらないのが月給ドロボーだ」
・「進化能力」とはある種の心構えではないだろうか
・日本はアメリカのSQCを独自進化させ、TQCを発達させた
・過剰設計が起きた理由は・・・
・コピー→汎用化→裾野拡大→競争激化

ということで生産関連の内容を上げたけど
設計/開発の内容もすごく興味深かった。
著者の藤本さんは物事の見方がものすごいけど、
これはMOT(技術経営)を学ぶと
こういうものの見方ができるのかな?
あるいは藤本さん独自の考え方かな?

とにかくこの本は深い。
もう1度読み返すとは言えないけど、
この本の存在は忘れないようにしたい。
技術に関わる仕事をしているあいだは。

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